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病気について

糖尿病の治療

なぜ糖尿病の治療が必要なのか?

どのような原因にせよ、血液中の糖分が高い状態が長期間(年単位)続くと、全身に(とりわけ全身の血管に)様々な病気がでてきます。
これらの合併症は症状のないまま少しずつ進んでいきますが、いったん進行してしまうと元に戻すことはできず、重大な障害が残ったり、 生活の質を低下させてしまうのです。逆に糖尿病と診断されても、正常な人と同じように血糖がコントロールされていれば、合併症の出現 、進行を抑えることができ、健康な人と何一つ変わらず天寿を全うすることができます。
合併症は自覚症状がない初期の段階からゆっくり進んでいきます。 健康診断で診断された場合、たとえ無症状であっても放っておいてはいけないのはそのためです。
糖尿病は、風邪や怪我と違ってなおるということのない病気で、一生涯付き合っていかなければなりません。
糖尿病の治療は、血糖コントロールを良好に保つことで、全身のさまざまな合併症の出現、進行を抑えることに他ならないのです。

糖尿病の治療の3本柱

糖尿病の治療の3本柱は、食事療法、運動療法、薬物療法です。2型糖尿病の治療は、そのうちどれがかけてもうまくいきませんが、 食事療法と運動療法が特に重要で、不十分な場合薬物療法が必要となります。
逆にどんな薬を使っていても、食事や運動をおろそかにすると血糖のコントロールは困難となります。
食事療法
糖尿病患者さんが治療を行う上で、最も重要なポイントは、食事療法です。
体の中で糖分がうまく栄養として利用できないのが糖尿病です(読んで字のごとく、利用できない糖は尿から外にでていってしまうのです)。
もちろん食べなければ血糖は上がりませんが、それでは体がもちません。
一日に必要な量を、規則正しく食べ、すい臓から分泌されるインスリンの量がつりあった状態であれば、 血液中の糖分は栄養として確実に利用され、血糖値は適切にコントロールされることになるのです。
【食事療法のポイント】
(1) 適正なエネルギー量の食事を食べる
(2) 栄養バランスがよい食事を食べる
(3) 規則正しく、三食きちんと食べる(間食はしない)

1日に必要なエネルギーは標準体重(身長m2x22)x25~30Kcal)がめやすとなります。
肥満ややせの度合い、仕事量、合併症の状態などを考慮して、主治医の先生に決めていただきましょう。
栄養バランスよく、何をどのくらい食べたらよいかは、「糖尿病食事療法のための食品交換表」(日本糖尿病学会編 文光堂)を利用すると便利です。
食品交換表では80キロカロリーを1単位として、栄養素を沢山含む食品同士を6つのグループに分けて、 各々のグループから一食あたりどの程度食べてよいか組み立てます。


運動療法
運動療法は、糖尿病の治療を続ける上で、食事療法と並びとても大切な治療です。
糖尿病の運動の基本は、 (1)ウォーキングやジョギング、水泳、ラジオ体操など体に酸素を取り入れてエネルギーを燃やしながら行う有酸素運動を、
(2)食後に30分から1時間行うことです。
運動は単にエネルギーを使うだけが目的ではなく、体を動かすことで、体全体のインスリンの利きがよくなり(インスリン感受性の増加)血糖コントロールに有効です この効果は約2日間程度持続するといわれています。

糖尿病の運動療法は一週間に一度まとまった運動をするより、こまめな運動を少なくとも1日おきに続けていくことが重要です。
万歩計などを用いて日々の生活の中で一日1万歩を目安に運動を行います。
どの程度の強さの運動をどのように行うかについては、個人差があります。
ことに合併症を抱えた人がいきなり激しい運動をする事は逆効果であり、よくありません。
主治医とよく相談し、注意しながら、徐々に運動療法を進めていきましょう。
【運動療法の効果】
(1) 運動により、体内のブドウ糖が消費され、血糖値が下がる。
(2) インスリンに対する筋肉細胞の感受性が高まり、血糖コントロールが良好になる。
(3) 血圧が低下し血液の循環が良くなる。
(4) 脂肪を消費し、燃焼させやすい体質となり、効果的な動脈硬化の予防となる。
(5) 心肺機能を高め、脳・心臓血管の病気を予防・改善する。
(6) 運動によるカロリーの消費により、体重の減少が期待できる。
(7) 足腰が強くなり骨量低下や老化を予防することが出来る。
(8) ストレスが解消され気分が爽快になる。
(9) 基礎体力が付き、身体の動きが楽になる事で、日常生活のQOLが上がる。
【効果的な運動法】
運動量は、1日平均150キロカロリーを目標に、手軽に始められるウォーキング、軽いジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動をお勧めします。
糖に対する運動の効果は、ほぼ2日位は有効であると言われていますので、1週間に3回位から徐々にはじめ、ご自身の体力に合わせ、 計画的に長く続けられるものが良いでしょう。
運動療法で注意が必要な方
運動療法を行う上で、高血圧や心臓に何等かの重篤な病気を持っている方、顕性蛋白尿をともなう進行した腎症や増殖性網膜症の方、 あるいは膝や股関節に病気がある方などは、事前に運動量、運動方法などを事前に主治医と相談し、安全に行ってください。


薬物療法
薬物療法のポイントは、決して自分の判断で薬を飲んだり飲まなかったりしないことです。
規則正しい生活を送り、適切に食事をとり、規則正しく薬を用いることが、きわめて重要です。
食事を不規則にして薬を飲んだり飲まなかったりすると、薬の効果が思いのほか出てしまい、 血糖が下がりすぎる(低血糖:冷や汗、どきどき感、ひどくおなかのすいた感覚、などの症状が出現します)危険があります。
糖尿病のお薬、インスリンは、一度使い始めると一生涯使い続けなくてはならないものではありません。
大切なことは血糖をしっかりコントロールして、怖い合併症の出現を抑えていくことなのです。
一口に糖尿病といってもその病気の状態はお一人お一人さまざまで、さらに時間がたつにつれ変化していくものです。
血糖コントロールをつけるためにそのときそのときで一番よいお薬の使い方について、 主治医の先生とよく相談しながら治療を続けていくことが必要です。
【薬物療法の種類】
経口血糖降下薬とインスリンに大きく分かれます。
インスリンは使い捨てのペン型キット注入器で、自己注射を行います。
【経口薬】
1) 膵臓に働きインスリン分泌を促進するスルホニル尿素薬
2) 食後高血糖改善薬(小腸に働き糖の吸収を遅延させるα-グルコシダーゼ阻害薬、
  膵臓に短期間働く速効型インスリン分泌促進薬)、
3) インスリン抵抗性改善薬(チアゾリジン薬、ビグアナイド薬)
【インスリン療法】
作用発現時間や作用持続時間によって超速効型、速効型、中間型、混合型、持効型に分類されます。
ペン型キット注入器による自己注射を行います。




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